2017年10月7日土曜日

徒手医療の良し悪し

最近街中や国道を走っていると「クイックマッサージ」「ヨガ」「整体」「接骨」「はりきゅう」「漢方」「カイロプラクティック」などの看板をよく見かける。僕がこの業界(徒手医療)に入った頃に比べると数倍の量だ。これだけの看板が数十メートルごとにあちらこちらとあるのは、ある意味すごい宣伝効果だと思う。

街ゆく人々の目に無意識に飛び込んでくるこの手のWordはサブリミナルメッセージとして深層心理に刻まれるのだろう。ただしその良し悪しを問うこともなく勝手に刻まれていくものだから消費者側は高額な施術費を払いながら改善もしないことに黙々と貴重なお金を支払っていく。またはその反対もある。どちらにしても本人の自由。

では、良い悪いは何が基準となるのだろう。

これはとても難しい。

国家資格。世界基準。学位。人間性。職人技。話術。哲学。どれもあるのが望ましいと思うが、そうは問屋がおろさないのだ。僕の好きで絶大なる信用をおく「カイロプラクティック」は今の日本で勉強するなら国家資格もなければ学位もない。ただ世界基準カリキュラムで勉強したという誇りと自負のみである。ただそれだけ。

では「カイロプラクティック」って何?と問う。

僕は「道具」と答える。職人が使う道具だと考えている。道具に国家資格や世界基準、学位などは関係ありません。あるのはただ一つ。その道具が必要かどうか。必要無いとなれば自然淘汰されてなくなっていくだけだし、必要があれば広まっていく。それを決めるのはその道具を鍛え上げることができる使い手だけです。

使い手とは「カイロプラクティック」でいえば「カイロプラクター」と名乗る施術士のことです。「はりきゅう」で言えば鍼灸師のこと。



その道具をよく磨き、鍛え上げ、適切に効率的に使用する。それをすることで道具が輝き出す。そこにあるのは使い手の人間性と哲学性なんだろうと思います。



僕はよく「カイロプラクティックは怖い」とか「危ない」とか言われます。(注!僕自身が怖いとか危ないとか言われているわけではありませんよ。)道具ですから、使い方を間違えれば危ないです。けどそれは使い手が未熟だから言われるんでしょう。
(鍼灸なんかやっているともっと言われます。はり怖い、お灸熱いとね。)




2017年9月6日水曜日

スズメバチ(虫毒)とお灸の効果(後編)

スズメバチなどの蜂毒はアミノ酸をベースにした化合物で、人に対して強い生理活性を持っている。その成分は大きく分けてアミン類、低分子ペプチド、酵素毒の3つに区分される。
① アミン類
刺された時に激しい痛みを出すセロトニンやヒスタミンなどのアミン類。スズメバチの毒成分は、他の生物毒に比べセロトニンの量が多い。最も量が多いのがオオスズメバチだが、濃度が高いのはチャイロスズメバチでこれが最も痛い。
その他、肥満細胞に作用しヒスタミンを遊離させる働きや、血圧下降、平滑筋収縮、組織破壊などを引き起こす成分がある。最も痛みを出すのはセロトニンだ。痛みや痒みの原因となる。


②低分子ペプチド 
低分子ペプチドはハチ毒キニン、マストパラン、白血球遊離ペプチドなどで痛み、赤血球破壊、血圧下降、アレルギー症状などを引き起こす。


③ 酵素毒
ハチの酵素毒はホスホリパーゼA、プロテアーゼ、ヒアルウロニダーゼなどを含み、組織障害、アレルギー症状などを引き起こす。
痛みの原因となるアミン類を最も多く含んでいるのがスズメバチ。

だからとても痛い。
本当に痛いです。
何の処置もしなければ1週間はずっとかなり痛みます。


これらのハチ毒は前述したようにアミノ酸をベースにした化合物(いわゆるタンパク質)なので、加熱すると簡単に生理活性が不活性化するの性質を持つ。

加熱(45度以上)するとタンパク質は変性を起こす。タンパク質とはアミノ酸の立体的連なりで、その立体構造の連なり方や折れ曲り方が変化して、その生理的機能は不活性化することを変性といいます。

要するに45度以上の熱を加えると(お湯でよい)痛みを引き起こす毒が無害化されるということです。


だから「灸」をすえる。お灸とは吸え方によって燃焼温度を40〜300度とさせることができる。私が今回使用したお灸は釜屋スモークレスとせんねん灸奇跡レギュラーをどちらも燃焼温度が43〜48度で タンパク質が変性を引き起こすには十分な加熱温度である。

スズメバチの刺された直後の処置である程度吸い出されたことも痛みが抑えられた要因だが、お灸でハチ毒は変性をし毒がキャンセルさせたと考えることもできる。お灸をした後からほとんど痛くなかったのも効果が出たのだろう。
ただし痒みは痛みほど引かなかったのでどのような生理機序が働いたのかはもう少し勉強する必要があります。


どちらにしても「虫毒にはお灸が効く」という昔からの先人の知恵は間違っていなかったようだ。


しかし、やってはいけないこともある。スズメバチなどのハチ毒は全て水溶性なので間違っても口で吸い出してはいけません。唾液に溶けて口から毒が回ってしまいます。これは怖いですね〜。
それと尿(アンモニア)をかけるのも全く効果がないそうです。


カイロプラクティック・鍼灸 たかはら整体所

2017年8月28日月曜日

スズメバチ(虫毒)とお灸の効果(前編)

滋賀県の里山で施術所をやっているとたまに虫に刺された患者さんが来ます。ほとんどがブヨかアシナガバチで結構腫れて痛い。およそ1週間は痛みとかゆみに悩まされる。ひどい人は一ヶ月も腫れたままです。

「あ〜痛そうだな〜痒そうだな〜」といつも他人事のように思っていたのですが、
つい1週間前に私自身がキイロスズメバチに刺されてしまいました。
施術所入り口横に道具入れとして木箱を置いているのですが、道具を取ろうとしてフタを開けると中にでっかい巣が出来上がっていて襲われました。

刺されたのは左上腕三頭筋の腋窩から5センチほど肘に向かったところ1箇所。ツボでいうと三焦経の臑会と消擽の間です。刺された時はアドレナリンが出ていたのかあまり痛くなく、冷静だったのでかなり適切な処置ができたと思っている。

昔から「虫に刺されたらお灸をするといい」と言われていて、蚊やブヨなどに刺された時はいつもお灸をしているんですが、スズメバチなどの強力な毒にも効果があるのかお灸の効果を観察してみました。

【観察内容】
①初期対応(基本処置)
スズメバチに刺されてから1〜2分以内にポイズンリムーバーで10回毒の吸出しをする。6回目くらいの吸出しの時に刺された部位から液体が出てきた。
その後、シャワーを浴びて患部を水で洗い流す。
②お灸をする(釜屋の無煙灸を使用)
上腕三頭筋には自分自身でお灸が出来ないので釜屋の無煙灸(置くだけのお灸。手頃です。)を一度に5壮(患部に1、周りに4)。これを3回続けて行う。ほとんど熱さも感じず。

この時点で刺された部位に痛みはほとんどなくやや腫れぼったい感じがあるのみ。
痛みはこのあと一切出ることはなかった。しかし、翌日から痒みを感じ始める。

③痒みを感じたら施灸する
その後も痛みは全くと言っていいほどなかったのだが、痒みがかなり出ました。痒みが出てくるとお灸をする。これを5日間続けた。
お灸をするのは大体3〜5時間毎。せんねん灸奇跡レギュラーを5〜8壮。(釜屋の無煙灸よりお手軽なお灸。)

お灸をすると不思議と痒みが治まり、約3時間は全く痒くなくなる。痒くなくなる持続時間は日に日に長くなり3日目には5〜8時間、4日目には8〜10時間は持続するようになる。しかし、お灸後に患部に水ぶくれは出来ました。


続く

カイロプラクティック・鍼灸 たかはら整体所

2017年8月3日木曜日

円形脱毛症

過去の診療で何度かお見かけした円形脱毛症。この症状はいろいろなパターンがあるようだが、今まであまり関心がなく「精神的にツライんだろうな」としか考えていなかった。だがなんと自分自身が円形脱毛症になってしまいました。
左後頭部に100円玉と500円玉の中間ほどの脱毛部分が出来ている。もともと若ハゲで頭髪は薄く坊主頭にしていたのであまり目立つこともなく、怪我をしていると思っている人もいるくらいであまり気にならないのだが(円形ハゲが出来た当初はものすごく気にしていたのだ)明らかに丸く禿げている。実際数ヶ月前に強い精神的・肉体的ストレスを感じていたので「ストレス禿げ?俺がストレス?」と従来の円形ハゲストレス説を何も疑うことなしに考えていた。
妻に見てもらっても「もともとハゲだし大丈夫だよ。そのうち生えるよ。」と全く関心がない。あ〜これだ。私もこの感覚だった。円形脱毛症の患者さんは結構悩んでいたのでしょう。施術士として関心を持たないのは良くないと思いいろいろと調べてみた。

日本皮膚学会円形脱毛症ガイドライン2010というのがある。これに則って円形脱毛症を見てみると、意外や意外、ストレス説は今はあまり推奨されておらず現在はアレルギー説が一般的になっているということ。

アレルギー説? アレルギーで円形脱毛症?

ものすごく要約すると元々アレルギー体質の人がなりやすいらしい。その他、肉体的・精神的ストレスも関わっている。それにより免疫機能が異常をきたし、毛根を攻撃してしまい円形脱毛症が発症してしまう。
というわけで円形脱毛症の患者には「ステロイド局注」や「局所免疫法」が治療の第一選択となる。ステロイドは炎症を抑えたり、免疫機能を抑制する効果がある。これを脱毛部分に直接注射する。これが「ステロイド局注」だ。「局所免疫法」は頭皮の脱毛部分に特殊な薬品を塗布し、わざとかぶれを引き起こす治療法でこの軽いかぶれを繰り返し発生させる事で免疫機能を正常化させる。ここまでは皮膚科の領域。

なるほど。勉強になる。この考え方でいくと「局所免疫法」をお灸でできる。患部にお灸を据えわざとかぶれを引き起こし免疫機能を正常化する。アトピーなどの皮膚アレルギーの症状を抑えるやり方と同じだ。もちろん脊椎の不都合な配列も正常にする必要がある。
という事でお灸による局所療法とカイロプラクティックによる脊椎療法で円形脱毛症が改善するかを自身の体で実験中です。
ちなみに私は昆虫アレルギーです。昆虫のたくさん出る山の麓に住んでるのでアレルギー反応は当然かもしれません。

円形脱毛症は人口の0.1~0.2%発症するという。かなりの数の人が悩んでいるだろう。ほとんどの人は脱毛部分を毛髪で隠しているようだ。現在では円形脱毛症は精神的なものだけでなくアレルギー反応の一つとされている。このような人たちに私たち代替医療者が何かできれば幸いである。


カイロプラクティック・鍼灸 たかはら整体所

2017年7月1日土曜日

足の筋肉の重要性

なんとかホームページのリニューアルを終えてホッとしている。3年間さらなる飛躍を望み修行してきたが、この期間いかに運動不足だったかを痛切に感じる。趣味のカヤックをほぼ封印してきたからだ。ただしスキーは少しやっていた。(というかシーズン中30回は行ってるんで結構やってました。)
車で15分ほどの距離にスキー場があり準備も簡単で早朝の2時間を気晴らしにスキーをしていた。相当気分転換になっていた。

修行期間が終え、この5月に献血をしてその血液データが送られてきた。中性脂肪やコレステロールは高くなっているだろうと思いながら通知を見ていると意外意外、以前とほとんど変わっていない。変わっていないどころかコレステロール値は少し下がっていた。

こんなに運動不足なのになぜ?と自己分析をしてみると。

やはりスキーだ。ほんの早朝の2時間、実際滑っているのは1時間程度だが素晴らしいほどの足の筋肉を使っているようだ。足の筋肉は全身の2/3ほど集まっている。それも大きな筋肉群ばかりだ。
スキーはスピードを制御しながら斜面を滑走していくのでものすごい筋力と筋持久力が必要となる。私のやっているスキーはテレマークスタイルなので更に歩く。ひたすら足の筋肉を使うので筋力が維持され代謝率が上がったようだ。

昨今、ダイエットブーム続いている。無理な筋力トレーニングや食事療法で短期間で美しい肉体を手に入れているようだが、体内では喜ばしい反応は起こっていない。内分泌系が追いついていないのだ。
やはり楽しんでやらなければ相乗効果を得られないと思う。冬のスキーシーズンは学校通いとテスト漬けのストレス生活にかなり刺激的だったようだ。

カイロプラクティック・鍼灸 たかはら整体所

2017年5月27日土曜日